橋田寿賀子 渡る世間を楽しむ知恵 ★健康の秘訣★

数々の人気テレビドラマを世に送り出してきた人気脚本家の橋田寿賀子さん。90歳を迎えて、『私の人生に老後はない』(海竜社)を出版されました。その橋田さんが、”渡る世間” を楽しむ知恵についてのお話です。

健康な体に感謝

年齢を重ねて、「豊かな人生」を送るために心掛けていることは何かありますか?

まずは、「健康」です。 私は脚本家として、多くの人と一緒に仕事をするので、自らの体調不良で迷惑をかけられないと思い、昔から健康に注意しています。自宅にはバランスボール、自転車型の運動器具などもあります。

また、以前はよくスキーを楽しみました。でも、テレビドラマの脚本を書くようになって、「足は折っても手は折るな」 と言われたことがあります。それほど上手ではなかったので結局やめてしまいましたが。

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その後、膝が悪化したため、50代から水泳を始めました。今でもなるべく泳いでいます。

健康な体に感謝して、今日も元気に爽やかな朝を迎えること。これは年を重ねた人間に与えられた特権であり、最大の幸せではないでしょうか!最近、分かったことがあります。

「昨日できたことが、今日できるとは限らない」

ということ。筋力が落ちると歩けなくなるかもしれない。との思いで筋力トレーニングも行ってます。

高齢になると、ショックなこともありますが、素直に受け入れて、どうすればよいかを考え、落ち込まないことが大事です。

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「老後」に対するイメージはどんなものですか?

私には、”老いの後” という人生はありません。あるのは ”今”の人生だけです。過去の人生は変えられないので、くよくよ考えずに、未来を先取りしてあれこれ心配もしません。「今日一日を悔いなく生きること」に集中します。

ただし、「好奇心」がなくなったら、その時から老後が始まるのかもしれません。興味を抱いたことにはドンドン挑戦します。たとえ失敗しても、年齢のせいにはしません。

老け込まないためには、何でもやってみることです。

私の場合は、小さなことであれば今日の食事が気になったり、大きなことであれば政治や世界の情勢などに関心を持っています。その中で、最も興味があるのが、です。

「おしん」には、以前の旅の記憶が生きています。私は二十歳のときに大阪で終戦を迎えました。その後、山形で疎開する伯母の元に行き、ひと月だけ滞在していた時期がありました。当時、地元の方に、奉公に出る子供の話を伺いました。それが心に残り、数年後に最上川に旅行することになりました。何かを知りたい!という好奇心で旅に出たのが、これが初めてのことです。

今でも、旅に出ると、どんな景色がひろがっているんだろう?との思いがめぐり、足腰が弱っていても、体が勝手に動き出します。

家で療養するより ”好奇心に勝る特効薬ナシ”

のようです。

 

はしだ・すがこ 1925年、京城(現・ソウル9生まれ。大阪府立堺高等女学校、日本女子大学卒業後、早稲田大学中退。松竹株式会社の脚本部を経てフリーの脚本家に。TBSプロデューサーの岩崎嘉一氏と結婚。手がけたテレビドラマは200本以上。83年に放送された「おしん」は大反響を呼び、海外でも放送。「渡る世間に鬼ばかり」など国民的ドラマが多い。NHK放送文化賞、菊池寛賞、勲三等瑞宝章などを受賞・受勲。2015年、脚本家初の文化功労章に選出される。橋田文化財団理事長。近著は、『私の人生に老後はない』(海竜社)

 

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